• [マンション]リノベーションに向かないマンションがある!?リノベ向き中古マンションの見極め方

    物価の高騰から、近年理想のすましを中古マンションのリノベーションで叶える選択をするご家族が増えています。

    新築マンションよりも少ない予算で、自分の暮らしに合った住まいを手に入れられるのがリノベーションの大きな魅力です。

    しかし、思い通りのリノベーションが叶うかどうかは物件の選び方が大きく関わってきます。

    中古マンションのリノベーションを成功させるためには、「リノベーションに向いている物件」を選ぶことが重要です。

    そこで、今回はリノベーションに向いた中古マンションの選び方のポイントをご紹介します。

    リノベーション向き中古マンションの見極め方

    1.建物の構造
    2.耐震性能
    3.管理状態
    4.大規模修繕
    5.管理規約


    1.建物の構造

    マンションの構造は「壁式構造」と「ラーメン構造」の2種類に分けられます。

    構造と聞いても直接生活に影響しないように感じるため、なかなか関心を持ちにくい部分ではありますが、リノベーションを前提で中古マンションの購入を検討している場合には注意が必要です。

    ■壁式構造

    壁・床・天井で建物を支える構造・・・間取りの変更がしにくい

    [メリット]

    ・壁が分厚いため、音が漏れにくい

    ・柱が無いためフラットな空間をつくれる

    [デメリット]

    ・壊せない壁が多く間取り変更の自由度が低い

    ■ラーメン構造

    柱・梁で建物を支える構造・・・間取り変更がしやすい

    [メリット]

    ・間取り変更の自由度が高い

    ・広い空間をつくりやすい

    [デメリット]

    ・柱や梁があるため凹凸ができる

    ・壁式に比べて耐震性の面で劣る

    ポイント

    間取りの変更を希望する場合は「ラーメン構造」を選択すると希望を叶えやすいでしょう。
    「壁式構造」のマンションを購入する場合は、どの壁が撤去可能か事前に確認しておくと安心です。

    2.耐震性能

    耐震基準は、建物を建築する上で最低でも守らなければならない建物づくりの基準です。

    1981年6月1日建築基準法の改定によって、建築確認済証の交付日が1981年6月1日以前であれば耐震基準が「旧耐震」、それ以降であれば「新耐震」とされるようになりました。

    旧耐震のマンションは、”相場より価格が安い” ”立地が良い”などのメリットもありますが、築年数が経過していることから修繕箇所が多くなりやすく、修繕積立金も高額となるケースがあるため、購入の際には慎重な判断が必要です。

    ポイント

    ✓ 築40年程度のマンションを購入するときには、確認済証等の書類で建築確認済証の交付日をチェックしておきましょう。
    ✓ 中古物件で住宅ローン控除を利用したい場合は、条件のひとつに「新耐震」基準への適合も含まれています。

    3.管理状態

    マンションの共用部がきちんと管理されているかは、管理体制によって左右されます。

    管理の体制や状態は、マンションの価値に大きく影響します。

    [マンション管理状態チェックポイント]

    ①エントランス、集合ポスト、ゴミ置き場、階段などの清掃・メンテナンスが行き届いているか。

    ②共用部、外壁、駐車場などで壊れたままになっている箇所はないか。(修理の予定はあるか?)

    ③専有部分の給水管・給湯管の素材・交換履歴

    マンションの給水管・給湯管に使われる素材は次のような種類があり、それぞれ寿命が違います。

    種 類寿命の目安
    鉄 管15~20年
    鉛 管15~20年
    銅 管20~25年
    ステンレス管30~40年
    硬質ポリ塩化ビニル管20~35年
    架橋ポリエチレン管30~40年
    ポリブデン管30~40年

      特に寿命の目安が短い鉄管・鉛管・銅管などの金属管は、ピンホールと呼ばれる穴や接続部からの水漏れリスクが高いので注意が必要です。

      共有部分の配管は大規模修繕での交換が計画されていますが、専有部分からの水漏れで階下に発生した損害は、基本的に部屋の所有者に請求されます。

      特に築20年以上の中古マンションを購入する場合は専有部分の「給水管・給湯管の素材は何か」・「いつ交換が行われたか(行われていないか)」必ずチェックしておきましょう。

      ポイント

      配管の交換となると床や壁を剥がすなど大掛かりな工事になるため、配管の寿命が近づいている場合はリノベーションのタイミングで交換をしておくと後の無駄な出費を抑えることができます。

      4.大規模修繕

      マンションの躯体・外壁・配管・設備などの大規模修繕が適切なタイミングで行われているかどうかで、建物の状態と価値が大きく変わります。

      大規模修繕の時期は管理組合の「長期修繕計画」によってきめられています。

      国土交通省は新築から12年目に1回の大規模修繕を推奨していますが、管理組合によっては修繕費の不足や費用を抑えるためにそれよりも長いスパンで修繕を計画しているケースもあります。

      中古マンションを購入する際には「長期修繕計画」で次の3つを確認しておきましょう。

      [長期修繕計画チェックポイント]

      ①大規模修繕計画

      ③大規模修繕の履歴

      ③修繕積立金は足りているか

      ポイント

      管理費に対して修繕積立金が1/3~1/2程度と、極端に安い場合は、今後修繕積立金が上がる可能性や、大規模修繕工事の際に多額の一時金が請求される可能性があるため注意が必要です。修繕積立金の設定の目安は、専有部の面積㎡あたり、200円程度。(専有部が60㎡なら、12,000円程になります。)

      5.管理規約

      マンションの専有部分の工事は、構造上は可能であっても、管理規約によって制限されているものもあります。

      例えば騒音防止のため、床仕上げはカーペット以外の使用を禁止しているというマンションもあります。

      床仕上げにフローリングやタイルを使用したいと思っていても、マンション購入後に実際はカーペットしか使用できないことが判明…。なんてことになっては悲しいですよね。

      また、築年数の経ったマンションだと電気のアンペア数が30Aのところもみられます。

      例えば、 30AではIHクッキングヒーター等の導入が難しいため契約アンペア数の変更が必要ですが、マンション自体で使用できる最大電力量が決まっているため、 IHクッキングヒーターが導入できないなんてことも起こりえます。

      こういった細かい工事の制約も「管理規約」で事前に確認しておくことが、リノベーションで理想の暮らしを叶える一歩に繋がります。

      ポイント

      施工会社が決まっている場合は、マンション購入前に管理規約の確認や管理会社に直接工事の制約等の確認をしてもらえる場合もあるため担当者に相談してみましょう。

      まとめ

      リノベーション向き中古マンションの見極め方

      1.建物の構造
      2.耐震性能
      3.管理状態
      4.大規模修繕
      5.管理規約

      この記事で紹介した通り、どのマンションでもリノベーションをすれば希望通りの住まいを手に入れられるとは限りません。

      リノベーションに適したマンションかどうかを見極めるためには、建物の構造や性能の他、管理体制の確認も重要になります。

      これらのことを全てチェックするのは少しハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、そんな時は中古マンションの購入前から家づくりのプロに相談するのが一番簡単な方法です。

      あなたの理想の暮らしに合った物件かどうか、アドバイスをもらえることでしょう。

      つづく設計舎では、物件探しからのリノベーションのご相談もお受けしています。

      是非あなたの理想の暮らしを聞かせてください。

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