家で過ごしているときにこんな風に感じたことはありませんか?
家族団らんの時間に何故か”イライラ”してしまうことがある。
なんだか最近家族がトゲトゲしている。
家族が部屋にこもりがちでリビングにあまり出てこない。
思い当たることがあるなら、もしかすると家族のパーソナルスペースが守られていないことが原因かもしれません。
住環境は、そこで毎日一緒に過ごす家族の関係性にも大きく影響を及ぼします。
家族だからといって相手のパーソナルスペースをないがしろにしていると、気づかぬうちにストレスが蓄積され、”イライラ”を引き起こしたり、”顔を合わせたくない”と部屋にこもるなど、家族の関係悪化の原因となってしまう可能性があります。
もくじ
1.パーソナルスペースとは?
パーソナルスペースの目安
パーソナルスペースの男女差
子供の成長と親子の距離
2.家づくりのポイント
ワークスペースを設ける
可変性のある子供部屋
夫婦の空間で大切な事
1.パーソナルスペースとは?
パーソナルスペースは対人距離とも呼ばれ、他人との関係を築く際に必要とする心理的な空間のことです。
身体的な距離だけでなく、感情的、精神的な距離も含みます。
個人のパーソナルスペースは、文化や好み、性別、年齢などにより異なりますが、このスペースが尊重されないと、不快やストレスを感じる可能性が高まります。
そして、その状態が長く続くと、攻撃性が高くなってしまうと言われています。
■パーソナルスペースの目安
アメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールは、対人距離を次の4つのゾーンに分けています。
密接距離・・・ごく親しい人に許される空間
個体距離・・・相手の表情が読み取れる空間
社会距離・・・相手に手は届きづらいが、容易に会話ができる空間
公共距離・・・複数の相手が見渡せる空間
家族同士であれば、おおよそ45cm以内の距離で近づいても、一般的には不快に感じることはないと言われています。
しかし、仕事に集中したいときや一人になりたいときには、たとえ家族であってもこの距離を無理に詰められると、不快に感じることがあります。
■パーソナルスペースの男女差
パーソナルスペースの大きさや形は、性別によっても差がると言われています。
男性が在宅ワークをする際に、特に一人で集中できる空間が必要だと感じるのは、一般的に男性の方がパーソナルスペースが広いと言われているためです。
■子供の成長と親子の距離
パーソナルスペースは、子供の成長とともに変化します。
幼いころは親とのコミュニケーションを育むため、子供のパーソナルスペースは狭く距離感が近いですが、成長と共にパーソナルスペースが徐々に広がり、次第に親とも距離を取るようになります。
この成長をさみしく感じたり、不安に思う親も多いですが、健全な成長の証です。
たとえ親子の関係でも子どものパーソナルスペースを尊重すことは大切です。
2.家づくりのポイント
上記のことから、家族のみんなが快適な空間をつくるためには、家族それぞれのパーソナルスペースを尊重することが大切です。
そのためには、家族同士が快適な距離間をもって一人の時間を過ごせる場所が必要です。
そこで、家づくりで実践できる例をいくつか紹介します。
■ワークスペースを設ける
家で仕事をする人にとっては、書斎=パーソナルスペースとなります。
部屋として設けるのが難しい場合は、リビングなどの一角を家具やパーテーションなどで区切って作ったスペースでもOK。
視界を遮るだけでも、集中力は高められます。
■可変性のある子供部屋
小さい時はコミュニケーションが育めるようオープンな部屋に。
成長に伴い、パーソナルスペースを確保してあげましょう。
部屋を区切る際に収納家具を使用するのもおすすめです。
間取りに可変性を持たせることで、将来子どもが独立した後など、家族のライフステージの変化にも対応しやすくなるメリットもあります。
■夫婦の空間で大切な事
夫婦の空間では、共有のスペースと個別のスペースのバランスが大切です。
例えば、寝室が一緒の場合はベッドサイドにそれぞれのスペースを設けるなど、同じ空間でも夫婦それぞれがパーソナルスペースを確保できる配置を意識してみましょう。
3.まとめ
重要なことは、それぞれのパーソナルスペースの大きさや形は人によって違うということを理解し、それを尊重することです。
夫婦や親子などの親しい関係であっても、相手のパーソナルスペースを尊重し、適度な距離を保つことが大切です。
間取りや家具の配置を検討するときには、是非家族のパーソナルスペースを考慮してみてください。
つづく設計舎では、完全自由設計の家づくりをしています。
家族のみんなが快適に過ごせる空間をご提案させていただきます。